DRY原則の誤解と乱用
下手に共通化するくらいなら重複したままのほうがマシだ。
プログラミングの原則の中で、初心者が最初に触れるであろう「DRY原則(※)」は誤解されやすく、適用の容易さから乱用されやすい。
同じコードを見かけたら共通化しよう(キャッキャッ
だが、ちょっと待ってほしい。
同じように見えるコードは、いまこの瞬間に偶然同じ姿かたちをしているだけでまったく別物の可能性がある。そのことを理解せず共通化してしまうと、本来持っていた情報が欠落してしまう。そして将来、情報を失った共通化コードを分解するという、考古学のような作業が待っている。
だから、下手に共通化するくらいなら重複したままのほうがマシだ。
注釈
※DRY原則 … 「達人プログラマー」で扱われた原則らしいが原典を持っていないので IT用語辞典 e-Words から引用する。
DRY原則(Don’t Repeat Yourself)とは、ソフトウェアの構成や構築手法についての原則の一つで、同じ意味や機能を持つ情報を複数の場所に重複して置くことをなるべく避けるべきとする考え方。
本来は、「同じ概念、同じドメイン知識のコードを重複させないようにしよう」という原則であり、表面上の同じコードは指していない。